2023/08/19
企業なら広報用だろうし、クリエイターなら展示場だろう。
価値は人によって違う、「やってみたかったから」「なんとなく作った」というのも立派な理由の一つだ。
まず第一に、ゴーストのネットワーク更新のためのサーバーとしてである。
足立レイのゴーストを制作した時、初版はアーカイブをGoogleドライブの共有機能で配布していた。
ほぼ一発ネタゴーストなので「サクッと作って配布して終わり」にする予定だったからだ。
だが実際は違った。配布後にミスや改良点が見つかり、その修正版の配布をしなければならなくなったからだ。
果たして、どれほどのユーザーが居るのかはまったくの不明である。
事実、誰かが彼女を起動させているという情報はこれを書いている今でさえまったく不明であるからだ。(まさか起動情報を収集するわけにもいかないだろう?)
需要があるかどうかはさておき、開発者として改良したならそれを配布するのは自然な流れであるし、
一人のユーザーとして良いものを周囲に広めたいと思うのもまた当然の事である。
しかし更新は一度で終わらない、バグや不具合なら単純に私の技術不足であるが、
新機能のネタやいつか起きるであろう仕様変更による影響は今どうにかできるものではない。
結局、時代に合わせて進化していくことになる。
Googleドライブの共有機能は共有の度にURLが変わる。
更新の度に各所のリンクを書き換え、必要に応じて広報をし、ユーザーに更新作業をしてもらう。
その度に他の事に使えたはずの時間を浪費する事になる、それは私だけの問題ではない、時間を浪費するのはユーザーも同じである。
私の時間をどう使うかは私の自由だが、周囲を巻き込むのは話が違う。
作業が面倒で更新を行わないユーザーだっている筈だ、ユーザーに良いものを届けたいと思うなら何かしらのアプローチは必要だろう。
幸い、伺かの仕様には「ネットワーク更新」というシステムがある。
これを利用すればユーザー側は最低限の操作で最新版に更新が可能だ。(設定によっては操作すら不要)
仕様上、全ての更新対象ファイルはURLが開示されているし(=透明性が高い)、ユーザーサイドには自動更新をOFFにするという拒否権もある。
これを使用しない手はない。
第二に、私が作った物を配布する為の「物置」として。
インターネットの発展とソーシャルメディアの普及で個人でも簡単に情報発信ができるようになった現代、
Twitterに代表されるSNSはテキストのみならず、写真や動画などの展示場としても活用がなされている。
動画やイラストなどのエンターテイメント作品は見た者を楽しませる為のコンテンツであり、いわば「消費形コンテンツ」である。
評価の基準は自動的に増えるPVを除けば、「いいね」や「感想コメント」などの感情的で一過性の物になる。
仮にそのコンテンツが消えてしまっても、残念がる人はいても致命的な不具合には至らない。
プログラムや、立ち絵などの作品は何かを作る為の土台となる「道具形のコンテンツ」である
それ自体は道具でしかなく、それを使って新たな価値を生み出すための物だ。
利用価値を見いだせる人間には重宝される反面、一般大衆には「ふーんこんなのあるんだ」という程度の価値しかない。
(が、優れた素材はそれ単体で見た者を楽しませる事ができるも事実である)
こちらのコンテンツが消えた場合は残されたものは何かしらの対応を迫られることが多い。
私はニコニコ動画にいくつかの作品を投稿しているが、それらはディープウェブ、つまりログインしないと閲覧できない領域に置かれている。
どんなコミュニティもいつかは消える。その時そこにしかない物は消えてしまうのだ、永遠に。
Twitterのログイン強制化と休眠アカウントの削除などがいい例だろうか、古くはInfoseekやジオシティーズの閉鎖など多義にわたるが、
有益な情報や思い出が消えてしまった人は多いだろう。ハードの衰退で遊べなくなったゲームなどもそうだ。
無断転載に不快感を覚える人は多い、自分が作った物を誰かが再配布する、本来自分が得るはずだったインセンティブを横取りされる。
それは再生数だったり、いいねだったり、収入だったり様々だ。だからDRMやアクセス制御で管理する。
だがそれは私の死後には何の意味もなさない。
コンテンツを残すという観点から見れば自分以外はそれを残すことができない、素晴らしいものを作ったとしてもプラットフォーム企業の一存でそれは消えてしまうだろう。
そういった過去の経験から、残すためには何をすればいいか考えた時、有料サーバーで個人サイトという結論に至った。
マスターは手元にあるので
私が生きている間は振り回されることはほぼないだろうし、非常にシンプルなつくりにしておけばインターネットアーカイブ辺りが保存してくれるだろう。
わざわざこんなところまで見に来た貴方は自分の生み出したものをどうしたいですか?
私は作品を残したい、永遠なんてない、出来るのは最善を尽くすことだけだ。