2023/09/17
※本ページに記載の内容は個人の経験によるものです。内容の正確さについては保証しかねます。
かつてWindowsには、タスクトレイ(画面右下の通知領域)に電源オプションのアイコンがありました。
クリックすることでプラン一覧が表示され、手軽に電源プランを切り替えることが可能でした。(いつの話かって?Windows 2000だよ)
いつしかその機能は失われてしまい、(少なくとも)Windows 10では電源プランの切替にはコントロールパネルなどを開く手間がかかるようになりました。
Windows 10の電源アイコンにはスライダーがあり、
「より良いバッテリー」「高パフォーマンス」「最も高いパフォーマンス」の3段階(バッテリー駆動時は4段階)から電源プランを選択できるようになっています。
このスライダーは、現在の電源プランが「バランス」の時のみ使用可能です。
ザックリとした説明ですが、電源プラン「バランス」は内部的に3つの電源プランを内包しており、レジストリ上でもそれぞれ別の設定情報を持っています。
基本となる電源プラン「バランス」をベースとして、一部設定を上書きすることで3段階の電源プランを実現しています。
例1:「より良いバッテリー」ではCPUクロックを極力下げておく(スロットルを絞る)
例2:「最も高いパフォーマンス」では可能な限りCPUクロックを上昇させる(スロットル全開)
便利ですがこのプランには、それぞれの電源プラン設定値をキメ細かく調整できないという欠点があります。
時と場合によっては電源プランを個別で設定する方が都合がよい場合もあるでしょう。
隠し電源プランとして有名なところでは「究極のパフォーマンス」があります。
「PC本来のの性能を発揮させる」、「設定値は大して変わらない」等、様々な情報が飛び交っていますが、
コントロールパネルに表示される設定情報はさておき、内部的にはいくつかのパラメーターが異なります。
Windowsの電源プランは、かなり細かい調整が可能で「powercfg」コマンドを使用することにより、コントロールパネルに表示されていないオプションの調整が可能です。
コマンドプロンプトより「powercfg /q」を実行することで各設定値を確認することができます。
さらに、「powercfg
/qh」を実行することにより隠し設定値を確認することが可能です。
(内容を理解しないまま、やみくもに設定値を変更するのは、システムに破壊的なダメージを与える可能性があるので注意してください)
設定値を見たところでそれを理解する必要はありません、通常の利用においては「あぁ違うんだな」程度の認識で十分です。
"電源プラン"とは、電力管理の設定情報に名前を付けた物です。仮に同じ名前でも内部の設定値によって実際の動作は異なります。
違いとしては、「高パフォーマンス」をベースにしたプランでは、CPUクロックは上がりやすく、下がりにくくなります。
逆に「省電力」をベースにしたプランでは、CPUクロックは上がりにくく、下がりやすくなります。
効果がわかりやすいチューニングとしては「プロセッサの電源管理」があります。
「最小のプロセッサの状態」「最大のプロセッサの状態」はそれぞれCPUクロックの変動領域を制限します。
「プロセッサ パフォーマンスの向上モード」は定格クロックを越えた領域(Intel Turbo Boost
Technology等)の扱いを設定します。
100%は定格クロックです、0%にしても最低クロック以下には低下しません。
定格クロックを越えた領域で動作するためには「最大のプロセッサの状態」が"100%"かつ、「プロセッサ
パフォーマンスの向上モード」が"有効"(無効以外)になっている必要があります。
設定例として
最高速度で動作させるなら「高パフォーマンス」又は「究極のパフォーマンス」プランをベースに
「最小のプロセッサの状態」「最大のプロセッサの状態」を"100%"
「プロセッサ パフォーマンスの向上モード」を"アグレッシブ"にするとよいでしょう。
「高パフォーマンス」プランをベースに
「最小のプロセッサの状態」「最大のプロセッサの状態」を"100%"
「プロセッサ
パフォーマンスの向上モード」を"無効"に設定すればブーストがOFFになり発熱が低下します。(ついでにファンも静かになります)
大した処理性能は求めていないが、「常時電源を入れておく必要がある」場合(ホームサーバー)などは
「省電力」プランをペースに最小のプロセッサの状態」「最大のプロセッサの状態」を"5%"に設定すれば、騒音と消費電力を抑えることができるはずです。